この記事は、金融庁などの公開情報をもとに編集部がまとめた一般的な説明です。広告は含みません。情報は2026年10月30日に確認したものです。
- 暗号資産は「法定通貨」ではない円やドルのように国が価値を保証するお金ではありません。価格は大きく上下します。
- 使うのは金融庁の登録業者だけ国内で暗号資産と円などを交換するサービスには、登録が必要です。金融庁の登録一覧で確かめられます。
- 「必ずもうかる」はあやしい暗号資産に関する詐欺や悪質な勧誘の相談がふえていると、金融庁が注意を呼びかけています。
ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)は、ニュースで見ることが多くなりました。一方で、「しくみがよくわからない」「こわい」と感じる人も多いと思います。
この記事では、暗号資産の基本的なしくみと、始める前に知っておきたい注意点を、金融庁の情報をもとにまとめます。暗号資産の税金については暗号資産の税金で説明しています。
暗号資産とは
暗号資産は、インターネット上でやりとりできる、電子的なデータの資産です。代表的なものにビットコインやイーサリアムがあります。以前は「仮想通貨」と呼ばれていましたが、法律では「暗号資産」という名前が使われています。
| くらべる点 | 円などの法定通貨 | 暗号資産 |
|---|---|---|
| 発行するところ | 国・中央銀行 | 決まった発行者がいないものも多い |
| 価値の裏づけ | 国が法律で通貨と定めている | 国による保証はない。需要と供給で価格が決まる |
| 価格の動き | 比較的安定 | 1日で大きく上下することがある |
| 使えるところ | どこでも使える | 使えるお店やサービスは限られる |
金融庁は、利用者向けのページで「暗号資産は『法定通貨』ではありません」と明記しています。
ブロックチェーンのしくみ
多くの暗号資産は、ブロックチェーンという技術で取引の記録を管理しています。
- 取引の記録をまとめた「ブロック」を、くさりのようにつないで保存します
- 記録は、たくさんのコンピューターで共有されます
- 過去の記録を書きかえると前後のつながりが合わなくなるため、改ざんしにくいしくみです
ウォレットとは
暗号資産を出し入れするための「さいふ」にあたるものをウォレットといいます。インターネットにつながった状態で管理するものと、インターネットから切り離して管理するものがあります。
| 管理のしかた | 特徴 |
|---|---|
| 業者に預ける | 登録業者の口座で管理する。はじめての人が使うことが多い。業者の管理体制に左右される |
| 自分で管理する | 自分のウォレットで管理する。秘密の鍵(パスワードのようなもの)をなくすと、取り出せなくなる |
自分で管理する場合、秘密の鍵や復元用の言葉を人に教えると、資産をぬすまれるおそれがあります。「サポート」を名のる人に聞かれても、教えてはいけません。
ただし、「記録が改ざんしにくい」ことと、「価格が安定している」「なくならない」ことは別の話です。取引所への不正アクセスや、パスワードの流出などで資産を失う例もあります。
国内の取引は登録業者で
国内で暗号資産と法定通貨を交換するサービスを行うには、暗号資産交換業の登録が必要です(2017年4月1日から)。金融庁のホームページには「暗号資産交換業者登録一覧」が載っていて、利用する前に登録があるか確かめられます。
- 会社名を確かめるサービス名だけでなく、運営している会社の正式な名前を確認します。
- 金融庁の登録一覧で探す「暗号資産交換業者登録一覧」に、その会社の名前と登録番号があるかを見ます。
- 警告を受けた業者でないか見る金融庁は、無登録で暗号資産交換業を行う業者への警告書を公表しています。
海外の業者が、日本の居住者向けに登録なしで勧誘している例があり、金融庁は警告書を出しています。トラブルがあっても、国内のルールで守られにくくなります。
暗号資産のおもなリスク
| リスク | 内容 |
|---|---|
| 価格変動 | 価格が短い期間で大きく上下し、買った金額を大きく下回ることがある |
| 流出・不正アクセス | 業者や自分のアカウントへの不正アクセスで、資産を失うことがある |
| 業者の破たん | 預けている業者の経営が悪くなると、資産を引き出せなくなるおそれがある |
| 詐欺・悪質な勧誘 | 「必ずもうかる」などの勧誘や、実体のないコインへの投資をすすめる詐欺がある |
| 税金 | 利益は原則として雑所得。所得が多いほど税率が高くなる(2026年10月時点) |
金融庁は、SNSやマッチングアプリを通じた「必ずもうかる」投資の勧誘や、金融庁・業界団体をかたるメールにも注意を呼びかけています。
- なくなっても生活にこまらない金額か
- 使う業者は、金融庁の登録一覧にのっているか
- 取引の説明書面を読んで、手数料やスプレッドを理解したか
- ログインに2段階認証を設定したか
- 人から「必ずもうかる」とすすめられていないか
暗号資産の買い方と取引の種類
国内では、登録業者の口座を開いて、円で暗号資産を買うのが一般的です。取引のしかたには、主に次の種類があります。
| 種類 | しくみ |
|---|---|
| 販売所 | 業者から直接買う・業者に売る。操作がかんたんな一方、買値と売値の差(スプレッド)が広いことがある |
| 取引所 | 利用者どうしで売買する。注文のしかたを知る必要がある |
| 証拠金取引(レバレッジ) | 証拠金を預けて取引する。個人の倍率の上限は2倍。値動き以上に損失が大きくなることがある |
はじめての人は、なくなってもこまらない少ない金額で、しくみを知ることから考えましょう。急に必要になるお金は、生活防衛資金として別に確保しておくと安心です。
2026年に成立した法改正
2026年7月15日、「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律」が成立しました(金融庁「国会提出法案」)。暗号資産の取引についてのルールを、資金決済法から金融商品取引法の枠組みに移し、情報の開示やインサイダー取引の規制などを整える内容がふくまれています。
暗号資産に関する部分がいつから施行されるかは、政令で定めることになっていて、2026年10月30日時点では決まっていません。税金のあつかいも、この法改正の施行にあわせて変わる予定です(暗号資産の税金で説明しています)。
よくある質問
暗号資産は少額から買えますか?
暗号資産で利益が出たら税金はかかりますか?
預けた暗号資産は守られますか?
SNSで知り合った人に暗号資産投資をすすめられました
まとめ
- 暗号資産は法定通貨ではなく、価格は大きく上下する
- 国内で取引するなら、金融庁の登録業者かどうかを必ず確かめる
- 流出・業者の破たん・詐欺などのリスクがある
- 証拠金取引は個人で最大2倍。値動き以上に損失が大きくなることがある
- 2026年7月に法改正が成立。暗号資産の部分の施行日は政令で決まる
投資の基本的な考え方は、複利とはやNISAのしくみと始め方もあわせてどうぞ。
出典・参考にした情報
- 金融庁「暗号資産の利用者のみなさまへ」
- 金融庁「暗号資産関係」(暗号資産交換業者登録一覧、無登録で暗号資産交換業を行う者への警告書の一覧)
- 金融庁「国会提出法案」(第221回国会:金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案。令和8年4月10日提出、7月15日成立)
- 一般社団法人 日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)事業報告書・暗号資産等関連デリバティブ取引に関する規則(個人の証拠金倍率2倍)
- いずれも2026年10月30日確認
【ご注意】暗号資産は法定通貨ではなく、価格の変動によって損失が出ることがあります。証拠金取引では、預けた証拠金より大きな損失が出る可能性もあります。この記事はしくみの説明で、特定の暗号資産の購入や業者をすすめるものではありません。取引の前に、業者の説明書面で内容とリスクを確認してください。

