この記事にはプロモーション(広告)を含みます。内容は国税庁・財務省などの公式情報をもとに編集部がまとめたもので、広告の有無で内容は変えていません。情報は2026年11月2日に確認したものです。
- 何が基礎控除が最大104万円に、給与所得控除の最低額が74万円に上がります。扶養に入れる親族の所得の上限も上がります。
- いつから令和8年12月1日に施行され、令和8年分の所得税から使われます。2026年12月の年末調整で反映されます。
- 誰が年末調整を受ける会社員・パートなど。とくに年収が低めの人や、扶養している家族がいる人に関係します。
- 178万円とは所得税がかかり始める年収の目安です(基礎控除104万円+給与所得控除74万円)。住民税や社会保険の「壁」とは別の話です。
2026年の年末調整は、例年より変わる点が多い年です。令和8年度税制改正で、基礎控除や給与所得控除、扶養の条件が見直されました。
この記事では、国税庁の「令和8年分 年末調整のしかた」と財務省の資料をもとに、何が・いつから・誰に関係するのかを整理します。年末調整そのもののしくみは年末調整のやり方で説明しています。
改正はいつから?
- 令和8年度の税制改正の法律は、2026年3月31日に成立しました(財務省「ファイナンス」2026年4月号)。
- 基礎控除などの改正は令和8年12月1日に施行され、令和8年分以後の所得税に使われます。
- 2026年11月までの毎月の源泉徴収は、改正前のままです。改正で変わった分は、12月の年末調整でまとめて精算されます。
- 源泉徴収税額表は、令和9年分から改正後のものに変わります。
前の年の令和7年度改正では、基礎控除が48万円から最大95万円に、給与所得控除の最低額が55万円から65万円に上がり、特定親族特別控除ができました。今回の令和8年度改正は、それをさらに引き上げるものです。
基礎控除はこう変わる
基礎控除は、ほぼすべての人が受けられる控除です。本来の金額(本則)が58万円から62万円に上がり、さらに令和8年分・9年分は特例で上乗せされます。
| 合計所得金額(給与だけの人の年収の目安) | 改正後 令和8・9年分 | 改正後 令和10年分以後 | 改正前 令和8年分 |
|---|---|---|---|
| 132万円以下(206万円以下) | 104万円 | 99万円 | 95万円 |
| 132万円超〜336万円以下(〜475万1,999円) | 104万円 | 62万円 | 88万円 |
| 336万円超〜489万円以下(〜665万5,556円) | 104万円 | 62万円 | 68万円 |
| 489万円超〜655万円以下(〜850万円) | 67万円 | 62万円 | 63万円 |
| 655万円超〜2,350万円以下(〜2,545万円) | 62万円 | 62万円 | 58万円 |
※国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」前年と比べて変わったポイントより(2026年11月2日確認)。合計所得金額2,350万円超の部分は改正がありません。上乗せ分は居住者だけが対象です。
令和8年分・9年分は、年収の目安が665万円くらいまでの人なら104万円です。令和10年分からは上乗せが小さくなります。
給与所得控除の最低額は74万円に
給与所得控除は、給与の収入から差し引ける「会社員の必要経費」のようなものです。最低額(最低保障額)が65万円から74万円に上がりました。
| 給与の収入 | 改正後 令和8・9年分 | 改正前 |
|---|---|---|
| 190万円以下 | 74万円 | 65万円 |
| 190万円超〜220万円以下 | 74万円 | 収入×30%+8万円 |
※国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」より。令和10年分以後は、190万円超〜220万円以下の部分が「収入×30%+8万円」(最低69万円)になります。
「178万円」は何の数字?
ニュースでよく見る「178万円」は、所得税がかかり始める年収の目安です。財務省の資料では、基礎控除と給与所得控除を合わせた「所得税の負担が始まる水準」が178万円以上になったと説明されています。
- 給与所得控除 74万円 + 基礎控除 104万円 = 178万円
- 物価の上昇(2年で6.0%)に合わせて引き上げた分に、さらに10万円を上乗せした数字です。
- 令和8年分・9年分の時限的な措置です。
178万円は所得税の話です。住民税がかかり始める年収や、社会保険の扶養(106万円・130万円など)の基準は別に決まっています。「178万円まで働いても何も負担がない」という意味ではありません。くわしくは年収の壁と住民税のしくみで確認してください。
扶養親族の所得要件も上がる
家族を扶養に入れられるかどうかの所得の上限も、58万円から62万円に上がりました。給与だけの人なら年収の目安は136万円以下です。
| 対象 | 改正後(給与収入の目安) | 改正前(給与収入の目安) |
|---|---|---|
| 扶養親族・同一生計配偶者 | 所得62万円以下(136万円以下) | 所得58万円以下(123万円以下) |
| 特定親族(19〜22歳) | 所得62万円超〜123万円以下(136万円超〜197万円以下) | 所得58万円超〜123万円以下(123万円超〜188万円以下) |
| 配偶者特別控除の対象 | 所得62万円超〜133万円以下(136万円超〜207万円以下) | 所得58万円超〜133万円以下(123万円超〜201万5,999円以下) |
| 勤労学生 | 所得89万円以下(163万円以下) | 所得85万円以下(150万円以下) |
※国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」より(2026年11月2日確認)。
この扶養の条件の変更は、令和8年12月1日以後に支払う給与から使われます。改正で新しく扶養の対象になる家族がいる人は、扶養控除等(異動)申告書を出す必要があります。
特定親族特別控除(19〜22歳の子など)
19歳以上23歳未満の子どもなどが、アルバイトで扶養の上限をこえて稼いでも、親が控除を受けられる制度です。令和7年度改正でできました。
| 子どもなどの合計所得金額 | 控除額 |
|---|---|
| 62万円超〜85万円以下 | 63万円 |
| 85万円超〜90万円以下 | 61万円 |
| 90万円超〜95万円以下 | 51万円 |
| 95万円超〜100万円以下 | 41万円 |
| 100万円超〜105万円以下 | 31万円 |
| 105万円超〜110万円以下 | 21万円 |
| 110万円超〜115万円以下 | 11万円 |
| 115万円超〜120万円以下 | 6万円 |
| 120万円超〜123万円以下 | 3万円 |
※国税庁 タックスアンサー No.1177(令和8年4月1日現在法令等)より。給与だけの子どもなら、年収197万円以下が対象です(令和7年分は188万円以下)。生計を一にしていること、配偶者や事業専従者でないことなどの条件があります。
生命保険料控除の特例
令和8年分・9年分は、23歳未満の扶養親族がいる人について、新しい生命保険料控除(一般)の上限が4万円から6万円に上がります。生命保険料控除全体の上限12万円は変わりません。
年末調整で出す書類
令和8年分の年末調整で使う主な書類は次のとおりです(国税庁の申告書のページで確認)。
- 扶養控除等(異動)申告書扶養する家族の情報を書きます。改正で新しく扶養の対象になる家族がいれば、ここで申告します。
- 基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書兼特定親族特別控除申告書自分の所得の見積もり、配偶者、19〜22歳の子などの控除を1枚で申告します。
- 保険料控除申告書生命保険料・地震保険料・社会保険料などを書きます。23歳未満の扶養親族がいる人は特例に注意します。
- 住宅借入金等特別控除申告書住宅ローン控除の2年目以降の人が出します。
書き方は会社の案内に従ってください。毎月の給与明細の見方は給与明細の見方で説明しています。
よくある質問
11月までの給与で引かれた所得税はどうなりますか?
年収178万円以下なら住民税もかかりませんか?
副業がある人も年末調整だけで済みますか?
令和10年分からはどうなりますか?
まとめ
- 令和8年度税制改正は令和8年12月1日施行。2026年12月の年末調整で反映される
- 基礎控除は最大104万円、給与所得控除の最低額は74万円(令和8・9年分)
- 178万円は所得税がかかり始める年収の目安。住民税・社会保険は別
- 扶養親族の所得の上限は62万円(年収136万円)に。新しく対象になる家族は申告が必要
家族の年収がこの改正で扶養の対象に入るかどうかは、年末調整の前に確認しておきましょう。
出典・参考にした情報
- 国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」前年と比べて変わったポイント(2026年11月2日確認)
- 国税庁 タックスアンサー No.1177 特定親族特別控除
- 国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」
- 国税庁 年末調整で使う申告書(令和8年分)のページ
- 国税庁 タックスアンサー No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
- 財務省「ファイナンス」2026年4月号「令和8年度税制改正(国税)等について」
【ご注意】この記事は2026年11月2日時点の法令・公表資料をもとにした一般的な説明です。個別の税額は、収入や家族の状況、ほかの控除によって変わります。正確な内容は国税庁の資料や勤務先、税務署で確認してください。

