特定口座と一般口座のちがい|源泉徴収あり・なしの選び方をやさしく解説

特定口座と一般口座のちがい|源泉徴収あり・なしの選び方をやさしく解説

この記事は、国税庁などの公式情報をもとに編集部がまとめた一般的な説明です。広告は含みません。情報は2026年10月30日に確認したものです。

先に結論:口座の種類はこう選ぶ
  • 手間をなるべく減らしたい特定口座の「源泉徴収あり」。証券会社が税金を計算して差し引くので、確定申告をしなくてすみます。
  • 自分で申告して調整したい特定口座の「源泉徴収なし」。証券会社が作る年間取引報告書を使って、自分で確定申告します。
  • 一般口座損益の計算も申告も自分で行います。特定口座で扱えない取引などに使われます。

証券口座を開くと、「特定口座(源泉徴収あり)」「特定口座(源泉徴収なし)」「一般口座」のどれにするかを聞かれます。これは、株や投資信託で利益が出たときの税金の計算と納め方を決めるものです。

この記事では、国税庁のタックスアンサー No.1476「特定口座制度」などをもとに、3つのちがいと選び方をまとめます。NISA口座はこれとは別の非課税の口座なので、NISAのしくみと始め方で説明しています。

株や投資信託の利益にかかる税金

上場株式や投資信託を売って出た利益(譲渡益)や、受け取った配当には、原則として20.315%の税金がかかります。

税金税率
所得税・復興特別所得税15.315%
住民税5%
合計20.315%

※出典:国税庁 タックスアンサー No.1476(2026年10月30日確認)。令和9年(2027年)1月1日以後は、復興特別所得税が1.1%に下がり、新しく防衛特別所得税(所得税額の1%)がかかりますが、国税庁は合計の税率は変わらないとしています(No.2260)。

この税金を「だれが計算して」「どう納めるか」が、口座の種類によってちがいます。

3つの口座のちがい

特定口座(源泉徴収あり)特定口座(源泉徴収なし)一般口座
損益の計算証券会社証券会社(年間取引報告書を作る)自分
税金の納め方売るたびに証券会社が差し引いて納める自分で確定申告して納める自分で確定申告して納める
確定申告しなくてよい(することもできる)原則必要原則必要
手間少ないふつう多い

※会社員などで、給与以外の所得が20万円以下の場合に確定申告がいらないケースもあります。くわしくは副業の税金の基本を参考にしてください。

特定口座のしくみ

国税庁の説明では、特定口座は1つの証券会社などにつき1つ開けます。特定口座の中の取引は、ほかの取引と分けて計算され、証券会社が「特定口座年間取引報告書」を作ってくれます。

源泉徴収あり

  • 売って利益が出るたびに、証券会社が税金を差し引いて納めます
  • 損が出たときは、同じ口座でそれまでに差し引いた税金が戻ってくるしくみがあります
  • この口座の利益は、確定申告をしない(申告不要)ことを選べます

源泉徴収ありの計算の例

取引損益差し引かれる・戻る税金
4月:A社株を売る+100,000円20,315円が差し引かれる
8月:B社株を売る-40,000円8,126円が戻る(その年の利益が60,000円になるため)
1年の合計+60,000円差し引かれた税金は12,189円

※しくみを説明するための例です。所得税と住民税は別々に計算されるため、実際の金額は1円ほどずれることがあります。

このように、同じ「源泉徴収あり」の口座の中では、年の途中で損が出ると、それまでに差し引かれた税金が自動で調整されます。

源泉徴収なし(簡易申告口座)

  • 証券会社は税金を差し引きません
  • 年間取引報告書を使って、自分で確定申告をします

選ぶときの目安

こんな人考えやすい口座
はじめて株や投資信託を買う特定口座(源泉徴収あり)
確定申告をする予定があり、自分で調整したい特定口座(源泉徴収なし)
特定口座で扱えない商品を取引する一般口座

「源泉徴収なし」を選ぶ理由の1つは、会社員などで給与以外の所得が20万円以下なら、所得税の確定申告をしなくてよい場合があることです。ただし、住民税の申告は別に必要で、ほかの理由で確定申告をする場合は株の利益も申告します。この判断は自分で行う必要があるため、手間を減らしたい人にはあまり向きません。

ポイント

迷ったら「源泉徴収あり」を選ぶ人が多いです。税金が自動で差し引かれ、申告の手間がかかりません。あとから申告して損益を通算することもできます。

NISA口座との関係

NISA口座で買った株や投資信託の利益・配当は非課税なので、特定口座のような税金の計算はありません。一方で、NISA口座で出た損は、ほかの口座の利益と相殺できず、翌年以降に繰り越すこともできません。

NISAの年間の枠をこえて投資するときや、NISAで買えない商品を買うときは、課税口座(特定口座か一般口座)を使います。そのため、NISAだけを使うつもりでも、課税口座の種類は決めておく必要があります。

年の途中では変えられない

源泉徴収あり・なしの選択は1年ごとです。国税庁によると、源泉徴収ありにするには、その年の最初に売る(譲渡する)ときまでに「特定口座源泉徴収選択届出書」を出します。年の途中で変えることはできません。

多くの証券会社では、ウェブやアプリで翌年分の設定を変えられます。変えたいときは、年が明けて最初に売る前に手続きをしましょう。

確定申告をしたほうがよい場面

「源泉徴収あり」でも、次のようなときは確定申告をすると税金が戻ることがあります。

  • 複数の証券会社で、ある口座は利益・別の口座は損:申告すると利益と損を相殺(損益通算)できます
  • 損が出て、翌年以降に繰り越したい:申告すれば、損を最長3年繰り越して、その後の利益と相殺できます(国税庁 No.1474)
注意

「源泉徴収あり」の口座で配当も受け入れている場合、口座の損失を申告するときは、受け入れた配当も一緒に申告する必要があります(国税庁 No.1476)。申告すると、所得によっては国民健康保険料などに影響することもあるので、事前に確認しましょう。

よくある質問

NISA口座と特定口座は両方必要ですか?
多くの証券会社では、NISA口座を開くと課税口座(特定口座か一般口座)もいっしょに開きます。NISAの枠をこえた分や、NISAで買えない商品は課税口座で取引します。
あとから源泉徴収なし→ありに変えられますか?
変えられますが、年単位です。その年の最初の売却の前までに手続きすれば、その年から変わります。
特定口座はいくつ作れますか?
1つの証券会社などにつき1つです。複数の証券会社を使えば、それぞれに特定口座を作れます。
確定申告のときに必要な書類は?
証券会社が作る「特定口座年間取引報告書」を使います。多くの証券会社では、翌年1月ごろにウェブで見られるようになります。申告のしかたは確定申告のやり方で説明しています。
一般口座はどんなときに使いますか?
特定口座に入れられない商品や取引をするときなどです。損益の計算を自分で行うので、はじめての人にはあまり向きません。

まとめ

  • 株や投資信託の利益・配当には原則20.315%の税金がかかる
  • 特定口座(源泉徴収あり)なら、証券会社が計算・納付してくれて申告不要にできる
  • 源泉徴収なし・一般口座は、自分で確定申告をする
  • 源泉徴収あり・なしは年単位。その年の最初の売却までに選ぶ
  • 損益通算や損の繰り越しをしたいときは、確定申告をする

実際の口座の開き方や手数料は、証券会社ごとにちがいます。DMM.com証券の例はDMM 株とTOSSYのちがいでまとめています。

出典・参考にした情報

  • 国税庁 タックスアンサー No.1476 特定口座制度
  • 国税庁 タックスアンサー No.1474 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除
  • 国税庁 タックスアンサー No.1330 配当金を受け取ったとき(配当所得)
  • 国税庁 タックスアンサー No.2260 所得税の税率
  • いずれも2026年10月30日確認

【ご注意】一般的な説明で、個別の税務相談ではありません。株式や投資信託は元本が保証されず、損をすることがあります。税金のあつかいは法改正などで変わることがあるため、ご自身のケースについては証券会社・税務署・税理士に確認してください。