青色申告のやり方|65万円・55万円・10万円控除の条件、申請書の期限、帳簿のつけ方

青色申告のやり方|65万円・55万円・10万円控除の条件、申請書の期限、帳簿のつけ方

この記事にはプロモーション(広告)を含みます。内容は国税庁・財務省の公式情報と各サービスの公式サイトをもとに編集部がまとめたもので、広告の有無で内容は変えていません。情報は2026年11月2日に確認したものです。

先に結論:青色申告で押さえたい3つ
  • 申請書の期限を守る青色申告をしたい年の3月15日まで(1月16日以後に開業したら、開業から2か月以内)に「青色申告承認申請書」を出します。
  • 控除額は帳簿と出し方で決まる令和8年分は、複式簿記+e-Taxなら65万円、複式簿記+書面なら55万円、簡単な帳簿なら10万円です。
  • 令和9年分からルールが変わる複式簿記でも書面で出すと10万円になります。e-Taxで出す前提で準備しましょう。

開業届を出したら、次に考えたいのが青色申告です。帳簿をきちんとつけると、所得から最高65万円を差し引けるなどの特典があります。

この記事は、開業届とはの続きです。開業届の出し方はそちらで説明しているので、ここでは青色申告の条件・期限・帳簿のつけ方を、国税庁のタックスアンサー No.2070「青色申告制度」、No.2072「青色申告特別控除」などをもとにまとめます。

青色申告ができる人

青色申告ができるのは、事業所得・不動産所得・山林所得がある人です(国税庁 No.2070)。

会社員の副業で、所得が「雑所得」になる人は青色申告ができません。副業の所得が事業所得になるかどうかは、開業届を出したかではなく、その活動が事業といえる程度かどうかで判断されます。所得の区分は副業の税金の基本で説明しています。

青色申告承認申請書の期限

青色申告を始めるには、納税地の税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を出します。

ケース提出期限例
すでに事業をしていて、来年から青色にしたい青色申告をしたい年の3月15日まで令和9年(2027年)分から青色にするなら、令和9年3月15日(月)まで
その年の1月16日以後に新しく事業を始めた事業を始めた日から2か月以内令和8年11月に開業したら、令和9年1月中の期限まで(開業日によって変わる)

※出典:国税庁 タックスアンサー No.2070(令和8年4月1日現在法令等、2026年11月2日確認)。例の日付は編集部が期限のルールに当てはめたものです。

注意

期限を過ぎると、その年は白色申告になります。たとえば、すでに事業をしている人が令和8年の途中で申請書を出しても、令和8年分は青色申告になりません。開業届と同時に出すと、出し忘れを防げます。

青色申告特別控除の条件(令和8年分まで)

青色申告のいちばん大きな特典が青色申告特別控除です。帳簿のつけ方と申告のしかたで、控除額が3段階に分かれます。

控除額主な条件
65万円55万円の条件をすべて満たしたうえで、次のどちらか。
・確定申告書と青色申告決算書(貸借対照表・損益計算書など)を、期限までにe-Taxで送る
・仕訳帳と総勘定元帳を「優良な電子帳簿」の要件を満たして保存し、届出書を出す
55万円事業所得か不動産所得を生ずべき事業をしている。正規の簿記(ふつうは複式簿記)で記帳し、貸借対照表と損益計算書を確定申告書に添付して、3月15日までに出す
10万円上の条件に当てはまらない青色申告者(簡単な帳簿で記帳している人など)

※出典:国税庁 タックスアンサー No.2072(令和8年4月1日現在法令等、2026年11月2日確認)

  • 還付申告の場合でも、55万円・65万円の控除を受けるには3月15日までに出す必要があります。
  • 控除できるのは、所得の金額(黒字)までです。
  • 「現金主義による所得計算の特例」を選んでいる人は、55万円・65万円の控除を受けられません。

令和8年(2026年)分の申告期限は、令和9年3月15日(月)です。

令和9年分からの見直し

令和8年度税制改正で、令和9年分以後の確定申告から、青色申告特別控除のしくみが変わります。国税庁の「青色申告の手引き」(令和8年5月1日現在の法令等)では、次のように整理されています。

帳簿と申告のしかた令和8年分まで令和9年分から
複式簿記+e-Tax+優良な電子帳簿(または請求書データ等との自動連携)65万円75万円
複式簿記+e-Tax65万円65万円
複式簿記+書面で申告55万円10万円
簡易簿記10万円10万円前々年の事業所得・不動産所得の収入が1,000万円以下の人など

※出典:国税庁「青色申告の手引き」(令和8年5月1日現在の法令等)、財務省「令和8年度税制改正」(2026年11月2日確認)。75万円を受けるには届出書の提出などの要件があります。くわしくは国税庁の最新の案内で確認してください。

ポイント

令和9年分からは「55万円」の段階がなくなり、書面で出すと10万円まで下がります。これから青色申告を始める人は、e-Taxで申告する前提で準備するのがよいでしょう。e-Taxはスマホとマイナンバーカードでも使えます(スマホとe-Taxでの申告の手順)。

令和8年分の申告で変わる点(基礎控除の引き上げなど)は、令和8年分の確定申告で変わることでまとめています。

帳簿のつけ方

青色申告では、原則として正規の簿記で記帳します。年末に貸借対照表と損益計算書を作れる形の記帳で、ふつうは複式簿記です(国税庁 No.2070)。

記帳のしかた主な帳簿控除額(令和8年分)
正規の簿記(複式簿記)仕訳帳、総勘定元帳など55万円または65万円
簡易な記帳現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳など10万円

複式簿記とは

複式簿記は、1つの取引を「借方」と「貸方」の2つの面から記録する方法です。たとえば、仕事の報酬5万円が銀行口座に入ったら、「普通預金が5万円ふえた」と「売上が5万円あった」を同時に記録します。

日付借方貸方摘要
10月31日普通預金 50,000円売上高 50,000円記事作成の報酬
11月5日消耗品費 3,300円現金 3,300円プリンターのインク

※記帳の例は、しくみを説明するための仮のものです。

手で書くと大変ですが、会計ソフトを使えば、取引を入力するだけで仕訳帳や総勘定元帳、決算書が作られます。

帳簿と書類の保存期間

帳簿や書類は、決められた期間保存します。帳簿は原則7年間、請求書・見積書・納品書などの一部の書類は5年間です(国税庁 No.2070)。

青色申告の1年の流れ

  1. 青色申告承認申請書を出す期限は原則3月15日まで。新しく開業したら2か月以内です。
  2. 事業用のお金を分ける事業用の口座やカードを決めておくと、記帳がぐっと楽になります。
  3. 日々の取引を記帳する売上・経費を、領収書や明細をもとに入力します。月に1回など、まとめてでもかまいません。
  4. 年末に決算をする12月31日時点の現金・預金・売掛金などを確かめ、貸借対照表と損益計算書を作ります。
  5. 確定申告書と青色申告決算書を出す令和8年分は令和9年2月16日(火)〜3月15日(月)。65万円の控除を受けるなら、e-Taxで期限までに送ります。

青色申告のそのほかの特典

  • 青色事業専従者給与:生計を一にする配偶者や15歳以上の親族で、もっぱら事業に従事している人への給与を、届け出の範囲内で必要経費にできます。「青色事業専従者給与に関する届出書」が必要です。
  • 純損失の繰越し・繰戻し:事業の赤字を翌年以後3年間繰り越して、各年の所得から差し引けます。前年も青色申告なら、前年分に繰り戻して還付を受けることもできます。
  • 貸倒引当金:年末の売掛金などの一定割合を、必要経費にできます。

※出典:国税庁 タックスアンサー No.2070(2026年11月2日確認)

青色申告に使える会計ソフト

複式簿記を自分で一からつけるのは大変です。会計ソフトなら、銀行やカードの明細を取り込んで仕訳の候補を出し、青色申告決算書とe-Taxでの提出まで進められます。青色申告に対応した、いちばん安いプランの料金は次のとおりです。

ソフト・プラン料金(税抜)メモ
やよいの青色申告 オンライン
セルフプラン
初年度0円(キャンペーン)、2年目から年11,800円キャンペーンは2027年3月15日までの申し込み分。自動更新の支払い方法の登録などの条件あり
マネーフォワード クラウド確定申告
パーソナルミニ
年払い10,800円(月900円)、月払い1,280円1か月の無料トライアルあり。2026年12月1日から月払いは1,680円に(年払いは変わらず)
freee会計
スターター
年払い11,760円(月980円)、月払い1,780円30日間の無料お試しあり。アプリから契約すると料金が異なる

※出典:弥生「やよいの青色申告 オンライン 料金」、マネーフォワード クラウド確定申告「料金プラン」「料金改定のお知らせ」、freee「個人事業主向け料金プラン」(2026年11月2日確認)。消費税の申告や電話サポートが必要な場合は、上のプランが必要になることがあります。

3社のプランのちがいや選び方は、確定申告ソフトの比較でくわしく比べています。

よくある質問

副業でも青色申告できますか?
副業の所得が事業所得(または不動産所得)なら、青色申告承認申請書を出してできます。雑所得の場合はできません。
申請書の期限を過ぎてしまいました。
その年は白色申告になります。翌年から青色にしたい場合は、翌年の3月15日までに申請書を出します。
赤字の年でも青色申告の意味はありますか?
あります。青色申告なら、事業の赤字を翌年以後3年間繰り越して、黒字の年の所得から差し引けます。
インボイスの登録も必要ですか?
青色申告とインボイス(適格請求書発行事業者)の登録は別の手続きです。必要かどうかは取引先との関係で変わります。副業とインボイス制度で整理しています。

まとめ

青色申告は、申請書の期限を守り、複式簿記で記帳して、e-Taxで期限までに出すのが基本です。令和9年分からは書面だと控除が10万円になるので、最初からe-Taxで出せる準備をしておきましょう。

出典・参考にした情報

  • 国税庁 タックスアンサー No.2070 青色申告制度
  • 国税庁 タックスアンサー No.2072 青色申告特別控除
  • 国税庁「青色申告の手引き」(令和8年5月1日現在の法令等)
  • 財務省「令和8年度税制改正(国税)等について」
  • 弥生、マネーフォワード クラウド確定申告、freee会計の公式サイト
  • いずれも2026年11月2日確認

【ご注意】一般的な説明で、個別の税務相談ではありません。所得の区分や青色申告の要件は、事業の内容や法改正によって変わります。会計ソフトの料金・キャンペーンは変わることがあります。ご自身のケースについては、税務署や税理士に相談してください。