年末調整とは|会社員がやること・申告書の書き方・確定申告とのちがい(令和8年分)

年末調整とは|会社員がやること・申告書の書き方・確定申告とのちがい(令和8年分)

この記事は、国税庁などの公式情報をもとに編集部がまとめた一般的な説明です。広告は含みません。情報は2026年10月30日に確認したものです。

先に結論:年末調整で押さえたい4つ
  • 年末調整は1年分の所得税の精算毎月の給与から引かれた税金の合計と、1年分の正しい税額の差を、会社が精算します。
  • 会社員がやるのは申告書の提出扶養控除等申告書、基礎控除申告書、保険料控除申告書などを、証明書とあわせて会社に出します。
  • 令和8年分は控除が大きく変わった基礎控除は最大104万円、給与所得控除の最低額は74万円に。扶養の所得要件は62万円以下になりました。
  • 年末調整でできない控除もある医療費控除やふるさと納税(ワンストップ特例なし)は、確定申告が必要です。

毎年秋になると、会社から「年末調整の書類を出してください」と言われます。なんとなく書いて出している人も多いのではないでしょうか。この記事では、年末調整のしくみと、会社員がやることを、国税庁の「年末調整がよくわかるページ(令和8年分)」をもとにまとめます。

令和8年分は、基礎控除や給与所得控除の見直しがあり、去年と書き方が変わるところがあります。変更点もあわせて確認しましょう。

年末調整とは

会社員の所得税は、毎月の給与やボーナスから源泉徴収(天引き)されています。ただ、毎月の税額はおおまかな計算なので、1年が終わると、正しい税額とずれが出ます。

国税庁は年末調整を、「源泉徴収された税額の年間の合計額と、年税額を一致させる精算の手続」と説明しています。払いすぎていれば戻り(還付)、足りなければ追加で差し引かれます。

ポイント

大部分の会社員は、この年末調整でその年の所得税の手続きが終わります。だから多くの人は確定申告をしなくてよいのです。

年末調整の対象になる人

  • 原則として、勤務先に扶養控除等申告書を出している人
  • 給与の収入金額が2,000万円をこえる人などは、年末調整の対象になりません(確定申告が必要です)

※出典:国税庁「給与所得者(従業員)の方へ(令和8年分)」(2026年10月30日確認)

会社に出す申告書の種類

控除を受けるには、それぞれの申告書を勤務先に出す必要があります。出さないと、その控除は年末調整に反映されません。

申告書こんな人が出す
扶養控除等(異動)申告書全員。扶養親族がいない人も出しますその年の最初の給与の前日までに提出
基礎控除申告書基礎控除を受ける人(ほぼ全員)
配偶者控除等申告書配偶者控除・配偶者特別控除を受ける人
特定親族特別控除申告書19歳以上23歳未満の、一定の所得がある親族がいる人
所得金額調整控除申告書給与収入が850万円をこえ、23歳未満の扶養親族がいる人など
保険料控除申告書生命保険料・地震保険料や、自分で払った国民年金保険料などがある人
住宅借入金等特別控除申告書住宅ローン控除の2年目以降の人
扶養控除等申告書を出さないと

扶養控除等申告書を出していない人の給与は、税額表の「乙」欄が使われ、出した場合より高い税額が差し引かれます。扶養親族がいなくても、必ず出しましょう。

※出典:国税庁「給与所得者(従業員)の方へ(令和8年分)」(2026年10月30日確認)

令和8年分の主な変更点

国税庁は、令和8年分の年末調整で次の見直しに注意するよう呼びかけています。

基礎控除の引き上げ

合計所得金額基礎控除額
489万円以下104万円
489万円超 655万円以下67万円
655万円超 2,350万円以下62万円
2,350万円超 2,400万円以下48万円
2,400万円超 2,450万円以下32万円
2,450万円超 2,500万円以下16万円
2,500万円超なし

※合計所得金額655万円以下の額は、基礎控除額62万円に租税特別措置法による加算額を足した額です。出典:国税庁「給与所得者(従業員)の方へ(令和8年分)」

給与所得控除の最低額の引き上げ

給与収入から差し引く給与所得控除は、収入が220万円までの人は74万円になりました(令和7年分は190万円まで65万円)。この改正は令和8年12月1日に施行され、令和8年分と令和9年分に適用されます。

計算してみると

給与だけの人が年収178万円の場合、給与所得は178万円-74万円=104万円。基礎控除104万円を引くと、課税される所得は0円です(社会保険料控除などを引く前の計算)。

※出典:国税庁 タックスアンサー No.1410「給与所得控除」(2026年10月30日確認)。計算例は編集部によるものです。

扶養親族などの所得要件

配偶者控除の対象になる配偶者や、扶養控除の対象になる扶養親族の合計所得金額の要件は62万円以下になりました。給与だけの人なら、給与収入136万円以下(62万円+74万円)が目安です。

特定親族特別控除

生計を一にする19歳以上23歳未満の親族(配偶者などを除く)で、合計所得金額が62万円超123万円以下の人を「特定親族」といいます。特定親族がいると、1人につき最大63万円が、親族の所得に応じて控除されます。大学生の子どもがアルバイトで扶養の範囲をこえても、控除が急になくならないようにするしくみです。

23歳未満の扶養親族がいる人の生命保険料控除

年齢23歳未満の扶養親族がいる場合の生命保険料控除の特例が新しくできました。一般の生命保険料の控除額は、23歳未満の扶養親族の有無で計算が変わるので、保険料控除申告書の該当欄を確認しましょう。

※出典:国税庁「年末調整がよくわかるページ(令和8年分)」「給与所得者(従業員)の方へ(令和8年分)」(2026年10月30日確認)

申告書を書くときのポイント

  1. 今年1年分の見込みで書く扶養や控除にあたるかは、年末調整をする日の状況で判断します。所得は1月1日〜12月31日の見込みで、年齢は12月31日時点で判定します。
  2. 家族の所得を確かめる配偶者やアルバイトをしている子どもの、今年の収入の見込みを聞いておきます。
  3. 保険の証明書をそろえる10〜11月ごろ保険会社から届く控除証明書を添付します。地震保険料は金額に関係なく証明書が必要です。
  4. 家族の状況が変わったら異動申告書就職・結婚などで扶養が変わったときは、その都度、異動申告書を出します。令和8年分の改正で新たに扶養親族になった人がいる場合も同じです。

会社によっては、紙ではなくアプリやWebで申告書を出す「年末調整の電子化」を進めています。その場合、保険の控除証明書も電子データで出せます。

年末調整でできないこと

次のような控除は年末調整では受けられず、自分で確定申告をする必要があります。

  • 医療費控除(1年間の医療費が多かったとき)
  • 寄附金控除(ふるさと納税でワンストップ特例を使わないとき、寄附先が6団体以上のときなど)
  • 住宅ローン控除の1年目(2年目からは年末調整で受けられます)
  • 雑損控除(災害や盗難の損害)
  • 給与と年金の両方がある人などの、一部の所得金額調整控除

ふるさと納税の手続きはふるさと納税のやり方でまとめています。

確定申告が必要になる人

年末調整を受けていても、次のような人は確定申告が必要です。

ケースくわしく
給与の収入が2,000万円をこえる年末調整の対象外です
副業などの所得が20万円をこえる給与1か所・年末調整済みの人で、給与以外の所得の合計が20万円をこえるとき
給与を2か所以上から受けている年末調整されなかった給与の収入などが一定額をこえるとき

※出典:国税庁 タックスアンサー No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」(2026年10月30日確認)

副業の税金は副業の税金の基本、スマホでの申告のしかたは確定申告のやり方(スマホとe-Tax)で解説しています。

よくある質問

年末調整で戻ってきたお金はいつ受け取れますか?
多くの会社では、12月か1月の給与に上乗せして戻ります。時期は勤務先によって違うので、会社に確認してください。
年の途中で会社をやめて、年末に働いていません。
年末調整を受けていない場合は、自分で確定申告をすると、払いすぎた税金が戻ることがあります。前の会社からもらった源泉徴収票を保管しておきましょう。
年末調整の書類を出しわすれました。
まずは会社に相談しましょう。年末調整に間に合わなかった控除は、確定申告で受けられます。
年末調整のあとにもらう源泉徴収票は何に使いますか?
1年分の給与と税額がわかる書類です。確定申告やローンの申し込みなどで使うので、保管しておきましょう。

まとめ

  • 年末調整は、天引きされた所得税と1年分の正しい税額を会社が精算する手続き
  • 会社員がやるのは、申告書を書いて証明書と一緒に出すこと。扶養控除等申告書は全員が出す
  • 令和8年分は、基礎控除が最大104万円、給与所得控除の最低額が74万円に。扶養の所得要件は62万円以下
  • 医療費控除、ふるさと納税(特例なし)、住宅ローン控除1年目などは確定申告が必要

家計の見直しをするなら、先取り貯金のやり方や生活防衛資金の考え方もあわせて読んでみてください。

出典・参考にした情報

  • 国税庁「年末調整がよくわかるページ(令和8年分)」
  • 国税庁「給与所得者(従業員)の方へ(令和8年分)」
  • 国税庁 タックスアンサー No.1410 給与所得控除
  • 国税庁 タックスアンサー No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
  • いずれも2026年10月30日確認

【ご注意】一般的な説明で、個別の税務相談ではありません。控除の対象や金額は、収入・家族の状況・法改正などによって変わります。ご自身のケースについては、勤務先の担当者、税務署、税理士に確認してください。