この記事は、総務省や自治体の公式情報をもとに編集部がまとめた一般的な説明です。広告は含みません。情報は2026年10月30日に確認したものです。
- 前の年の所得で決まる1月1日に住んでいる市区町村が、前の年(1月〜12月)の所得をもとに計算します。
- 「所得割」と「均等割」の2つ所得割は原則10%。均等割は所得に関係なく決まった金額で、国の森林環境税1,000円も一緒に納めます。
- 会社員は6月から翌年5月まで給与から引かれる自営業などの人は、年4回に分けて自分で納めます。
「入社2年目の6月から急に手取りが減った」「退職したら住民税の通知が届いた」。住民税は所得税とタイミングがずれるため、わかりにくい税金です。この記事では、住民税の決まり方と納め方を、総務省や自治体の案内をもとにまとめます。
住民税とは
住民税は、住んでいる都道府県と市区町村に納める税金です。正式には「個人住民税」といい、市町村民税(東京23区は特別区民税)と道府県民税(東京都は都民税)をあわせたものです。納めるのは市区町村にまとめて行います。
| くらべる点 | 所得税 | 住民税 |
|---|---|---|
| 納める先 | 国 | 都道府県・市区町村 |
| もとになる所得 | その年の所得 | 前の年の所得 |
| 税率 | 5%〜45%の7段階 | 所得割は一律10%(標準税率) |
| 計算する人 | 本人(会社員は会社が源泉徴収・年末調整) | 市区町村 |
住民税は「所得割」と「均等割」でできている
所得割
所得に応じてかかる部分です。標準税率は10%(市町村民税6%・道府県民税4%)です。
所得割 =(前の年の所得 - 所得控除)× 10% - 税額控除
所得控除には、社会保険料控除や基礎控除、扶養控除などがあります。税額控除には、ふるさと納税などの寄附金控除や、住宅ローン控除の一部があります。ふるさと納税のしくみはふるさと納税のやり方でまとめています。
均等割と森林環境税
所得の金額に関係なく、一定以上の所得がある人が同じ金額を納める部分です。標準の金額は次のとおりで、これに国税の森林環境税1,000円が加わり、住民税と一緒に納めます(森林環境税は令和6年度から)。
| 項目 | 標準の金額 | 例:鹿児島市(令和8年度) |
|---|---|---|
| 市町村民税の均等割 | 3,000円 | 3,000円 |
| 道府県民税の均等割 | 1,000円 | 1,500円県独自の税500円を含む |
| 森林環境税(国税) | 1,000円 | 1,000円 |
| 合計 | 5,000円 | 5,500円 |
※出典:鹿児島市「令和8年度個人住民税・森林環境税の概要」(2026年10月30日確認)。独自に上乗せしている都道府県・市区町村があるので、金額はお住まいの自治体で確認してください。
前の年の所得で決まり、1月1日の住所で納める
- もとになる所得:前の年の1月1日〜12月31日の所得
- 納める先:その年の1月1日に住んでいた市区町村。1月2日以降に引っ越しても、その年度の住民税は1月1日の住所地に納めます
- 情報の集め方:会社員は会社が提出する「給与支払報告書」、自営業などは確定申告や住民税の申告の内容をもとに計算されます
確定申告をした人は、その内容が市区町村に伝わるため、別に住民税の申告をする必要はありません。副業の所得が20万円以下で確定申告をしない場合でも、住民税の申告は必要です。くわしくは副業の税金の基本をご覧ください。
住民税がかからない人
次のような人は、住民税がかからない(非課税になる)場合があります。
- 生活保護法による生活扶助を受けている人
- 障害者、未成年者、寡婦またはひとり親で、前の年の合計所得金額が135万円以下の人
- 前の年の所得が、自治体が条例で定める金額以下の人(家族の人数などで基準が変わります)
所得割はかからなくても、均等割だけかかる人もいます。非課税の基準は自治体によって違うので、くわしくはお住まいの市区町村の案内を確認してください。
納め方は「特別徴収」と「普通徴収」
| 納め方 | 対象 | 時期と回数 |
|---|---|---|
| 給与からの特別徴収 | 会社員など給与を受ける人 | 6月〜翌年5月の12回。会社が毎月の給与から差し引いて納める |
| 普通徴収 | 自営業の人、退職した人など | 原則6月・8月・10月・翌年1月の4回。納税通知書や口座振替で自分で納める |
| 公的年金からの特別徴収 | 65歳以上で年金を受けている人(条件あり) | 年金の支給のときに差し引かれる |
※出典:鹿児島市「令和8年度個人住民税・森林環境税の概要」。普通徴収の納期は自治体によって異なる場合があります。
いつから引かれる?よくあるタイミング
入社1年目
学生のときに所得が少なければ、入社1年目の住民税はほとんどかかりません。入社2年目の6月から、1年目の給与にもとづく住民税が引かれ始めるため、手取りが減ったように感じます。
退職したとき
住民税は後払いのしくみなので、退職後にも前の年の所得の分を納める必要があります。退職の時期によって、次のような扱いになるのが一般的です。
- 1月〜5月に退職:残りの住民税を、最後の給与や退職金からまとめて差し引くのが原則
- 6月〜12月に退職:残りを普通徴収に切り替えて自分で納めるか、本人が希望すれば一括で差し引く
転職先が決まっていれば、手続きをして新しい会社の特別徴収に引き継げる場合もあります。扱いは会社と自治体に確認してください。
退職して収入が減った年でも、住民税は前の年の高い所得で計算されます。退職の前に、翌年度の住民税を払うお金も残しておくと安心です。生活費の備えは生活防衛資金の記事も参考にしてください。
令和8年度(2026年度)の住民税の主な改正点
令和7年度税制改正を受けて、令和8年度分(令和7年の所得が対象)の住民税から次のような改正が適用されています。
- 給与所得控除の最低額が55万円から65万円に:給与収入190万円以下の人が対象です
- 特定親族特別控除の新設:19歳以上23歳未満の子などで、給与収入が123万円をこえて188万円以下の場合に対象になります
- 基礎控除は住民税では変わっていません:基礎控除の引き上げは所得税だけです
※出典:宍粟市「個人住民税の税制改正(令和8年度以降適用分)」、東京都北区「令和8年度から適用される主な税制改正」(2026年10月30日確認)。北区の案内では、給与収入110万円以下であれば個人住民税・森林環境税は課税されないとされています(単身の場合など。非課税の基準は家族の状況や自治体で異なります)。
所得税と住民税で「年収の壁」の金額が違うのはこのためです。くわしくは年収の壁とはで整理しています。
よくある質問
住民税の金額はどこで確認できますか?
1月に引っ越したら、どちらの市区町村に納めますか?
副業の分の住民税を自分で納めることはできますか?
ふるさと納税をすると住民税はどうなりますか?
住民税が払えないときはどうすればいいですか?
まとめ
- 住民税は前の年の所得で決まり、1月1日の住所地に納める
- 所得割は原則10%、均等割は標準で5,000円(森林環境税1,000円を含む)
- 会社員は6月〜翌年5月の給与から引かれ、自営業などは年4回に分けて納める
- 入社2年目の6月や、退職した翌年は負担を感じやすい
- 令和8年度から、給与所得控除の最低額の引き上げと特定親族特別控除が適用された
給与から引かれるお金の全体像は給与明細の見方でまとめています。
出典・参考にした情報
- 鹿児島市「令和8年度個人住民税(市民税・県民税)・森林環境税の概要」
- 宍粟市「個人住民税の税制改正(令和8年度以降適用分)」
- 東京都北区「令和8年度から適用される主な税制改正」
- 総務省「個人住民税」、税制調査会 総務省説明資料〔個人住民税について〕(令和7年5月15日)
- いずれも2026年10月30日確認
【ご注意】一般的な説明で、個別の税務相談ではありません。住民税の税率・均等割の金額・非課税の基準・納期は、自治体によって異なる場合があります。ご自身の税額や手続きについては、お住まいの市区町村に確認してください。

