iDeCoのしくみ|節税と注意点、2026年12月の改正もやさしく解説

iDeCoのしくみ|節税と注意点、2026年12月の改正もやさしく解説

この記事は、iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)や金融機関の公式情報をもとに編集部がまとめた一般的な説明です。広告は含みません。情報は2026年10月30日に確認したものです。

先に結論:iDeCoで押さえたい3つ
  • 自分で積み立てる年金毎月の掛金を自分で決めて積み立て、選んだ商品で運用し、原則60歳以降に受け取ります。
  • 税の優遇が3つある掛金が全額所得控除になり、運用益は非課税、受け取るときも控除があります。
  • 60歳まで引き出せない老後のためのお金なので、途中で使うお金には向きません。2026年12月からは掛金の上限が上がります。

「iDeCo(イデコ)」は、正式には個人型確定拠出年金といいます。国の年金(国民年金・厚生年金)に上乗せして、自分で老後のお金を準備するための制度です。この記事では、しくみ・税の優遇・掛金の上限と改正・注意点を順に説明します。

NISAとのちがいが気になる人は、NISAのしくみと始め方もあわせて読んでみてください。

iDeCoのしくみ

iDeCoでは、加入する人が自分で次のことを決めます。

  1. 金融機関を選ぶ銀行・証券会社などの「運営管理機関」から1つ選んで申し込みます。
  2. 掛金を決める月5,000円から、1,000円単位で決めます。上限は働き方によって変わります。
  3. 商品を選ぶ定期預金・保険・投資信託など、金融機関が用意した商品から選びます。
  4. 60歳以降に受け取る一時金(まとめて)か年金(分けて)、または両方の組み合わせで受け取ります。

受け取る金額は、積み立てた掛金と運用の結果で決まります。投資信託を選んだ場合は、元本を下回ることもあります。

3つの税の優遇

タイミング優遇の内容
積み立てるとき掛金が全額「小規模企業共済等掛金控除」として所得から差し引かれ、所得税・住民税が軽くなります
運用しているとき運用で出た利益に税金がかかりません(ふつうは約20%かかります)
受け取るとき一時金は「退職所得控除」、年金は「公的年金等控除」の対象になります
ポイント

掛金の所得控除は、所得税・住民税を払っている人ほど効果があります。専業主婦(夫)など、もともと税金がかからない人は、この優遇を受けられません。

掛金の控除で軽くなる税金の例

所得税の税率が10%、住民税の税率が10%の会社員が、月2万円(年24万円)を積み立てた場合の例です。

1年の掛金240,000円
所得税が軽くなる額(10%)約24,000円復興特別所得税は計算に含めていません
住民税が軽くなる額(10%)約24,000円
合計約48,000円

※しくみを説明するための単純な計算例です。実際の金額は、所得や家族の状況、ほかの控除によって変わります。

所得税の税率は所得によって5%〜45%の7段階に分かれています(国税庁 No.2260)。税率が高い人ほど、掛金の控除で軽くなる額は大きくなります。

会社員は年末調整で、自営業の人は確定申告で掛金の控除を受けます。年末調整については年末調整とはでまとめています。

掛金の上限(いま)と2026年12月の改正

iDeCo公式サイトによると、2026年12月1日に制度が改正され、掛金の上限が引き上げられます。金融機関の案内では、新しい上限は2026年12月分の掛金(2027年1月26日の引き落とし分)から適用される予定です。

働き方などいまの上限(月額)改正後(月額)
自営業・フリーランスなど(第1号)6.8万円7.5万円国民年金基金などと合算
会社員・公務員(企業年金なし)2.3万円6.2万円
会社員(企業年金あり)・公務員など2.0万円6.2万円企業年金の掛金などと合算
専業主婦(夫)など(第3号)2.3万円2.3万円(変更なし)

※出典:iDeCo公式サイト「制度改正について」、松井証券「掛金拠出限度額・加入可能年齢の引き上げについて」(2026年10月30日確認)。企業年金がある会社員は、会社の掛金によって実際に出せる額が6.2万円より少なくなる場合があります。

加入できる年齢は70歳未満へ

改正で、加入できる年齢は65歳未満から70歳未満に広がります。ただし、すでにiDeCoに加入している人や、企業年金からお金を移す人などで、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受け取っていない人が対象です。経過措置として、2029年11月末までは、これにあたらない60歳以上70歳未満の人も新しく加入できます(老齢基礎年金を受け取っている人など一部を除く)。

かかる手数料

iDeCoは、口座の管理などに手数料がかかります。

手数料金額の例
加入するとき(国民年金基金連合会)2,829円(1回)
掛金を納めるたび(国民年金基金連合会)月105円2027年1月26日の引き落とし分から月120円の予定
資産の管理(信託銀行)月66円
運営管理機関(金融機関)0円〜(金融機関によってちがう)

※出典:各金融機関のiDeCo手数料の案内(2026年10月30日確認)。最新の金額は申し込む金融機関で確認してください。

毎月の手数料は掛金から差し引かれます。掛金が少ないと手数料の割合が大きくなるので、金融機関を選ぶときは運営管理機関の手数料も比べましょう。

金融機関を選ぶときに見るところ

  • 運営管理機関の手数料:0円のところもあれば、毎月かかるところもあります。長く続けるほど差が大きくなります。
  • 選べる商品:定期預金や投資信託など、どんな商品をそろえているか。投資信託は、保有中にかかる信託報酬も確認します。
  • 手続きのしやすさ:ウェブやアプリで掛金の変更や商品の入れ替えができるか。

iDeCoの口座は1人1つだけです。あとから金融機関を変えることもできますが、手続きに時間がかかり、手数料がかかることもあります。

始める前の注意点

注意
  • 原則60歳まで引き出せません。住宅や教育など、途中で使うお金はiDeCo以外で準備しましょう。
  • 投資信託は元本割れすることがあります。受け取る額は運用の結果で変わります。
  • 加入期間が短いと、受け取り開始が遅くなる場合があります。60歳時点で加入期間(通算加入者等期間)が10年に満たないと、受け取れる年齢が段階的に遅くなります(たとえば8年以上10年未満なら61歳から)。受け取りは遅くとも75歳までに始めます。
  • 受け取るときにも税金がかかることがあります。退職金と同じ年に受け取る場合など、控除の使い方に注意が必要です。

すぐに使うかもしれないお金は、まず生活防衛資金として預金で確保しておくと安心です。

NISAとのちがい

iDeCoNISA
目的老後のお金目的は自由
引き出し原則60歳まで不可いつでも売却できる
掛金の所得控除ありなし
運用益非課税非課税

どちらか一方ではなく、目的に合わせて使い分ける考え方もあります。長く積み立てるときの効果は複利とはで説明しています。

よくある質問

掛金はあとから変えられますか?
変えられます。掛金の額の変更は、原則として年1回(12月分〜翌年11月分の間で1回)です。2026年12月の改正にあわせた特例として、2026年12月1日〜2027年11月30日に、いまの上限をこえて増やす最初の変更は、この1回に数えないとされています。くわしくは加入している金融機関で確認してください。
どの商品を選べばいいですか?
元本を減らしたくないなら定期預金など、長い期間で増やすことをめざすなら投資信託などが選ばれます。投資信託のしくみは投資信託とは、考え方はインデックス投資とはで説明しています。
積み立てを止めることはできますか?
掛金を出すのを止めること(運用指図者になること)はできます。ただし、それまでのお金は60歳まで引き出せず、口座の手数料はかかり続けます。
会社員でも加入できますか?
できます。会社に企業年金がある場合も加入できますが、出せる掛金の上限が変わることがあります。

まとめ

  • iDeCoは、自分で積み立てて運用し、原則60歳以降に受け取る年金
  • 掛金の所得控除・運用益の非課税・受け取り時の控除の3つの優遇がある
  • 2026年12月の改正で、会社員は月6.2万円、自営業は月7.5万円まで上限が上がる予定
  • 原則60歳まで引き出せず、投資信託は元本割れすることもある

出典・参考にした情報

  • iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)「制度改正について」
  • 松井証券「【iDeCo】掛金拠出限度額・加入可能年齢の引き上げについて(2026年12月施行)」
  • 各金融機関のiDeCo手数料・掛金変更・受給開始年齢の案内(松井証券、三菱UFJ銀行、りそな銀行、マネックス証券、SMBC日興証券)
  • 国税庁 タックスアンサー No.2260 所得税の税率
  • いずれも2026年10月30日確認

【ご注意】一般的な説明で、特定の金融機関や商品をすすめるものではありません。投資信託などは元本が保証されず、受け取る額が掛金の合計を下回ることがあります。制度や手数料は変わることがあるため、加入前にiDeCo公式サイトや金融機関の最新情報を確認してください。