配当金と株主優待のしくみ|権利確定日・権利付最終日と税金をやさしく解説

配当金と株主優待のしくみ|権利確定日・権利付最終日と税金をやさしく解説

この記事は、国税庁などの公式情報をもとに編集部がまとめた一般的な説明です。広告は含みません。特定の銘柄をすすめるものではありません。情報は2026年10月30日に確認したものです。

先に結論:配当・優待で押さえたい3つ
  • 権利付最終日までに買う配当や優待を受け取るには、権利確定日に株主である必要があります。そのためには、権利確定日の2営業日前(権利付最終日)までに買います。
  • 配当には税金がかかる上場株式の配当には原則20.315%の税金が差し引かれます。申告の方法は3つから選べます。
  • NISAは受け取り方に注意NISA口座の株の配当を非課税にするには、証券会社の口座で受け取る方法(株式数比例配分方式)にします。

株を持っていると、会社から配当金を受け取れたり、株主優待として商品や割引券などをもらえたりすることがあります。ただし、いつ買ってもよいわけではなく、決まった日に株主であることが条件です。

株の買い方の基本は株の買い方の基本で説明しています。この記事では、配当と優待を受け取るしくみと、税金をまとめます。

配当金と株主優待とは

配当金株主優待
何をもらえる?会社の利益の一部をお金で自社の商品、割引券、ポイントなど
回数年1〜2回の会社が多い(期末・中間)会社による(年1〜2回が多い)
必ずもらえる?業績などによって減ったり、出なかったりする内容の変更や廃止がある

配当や優待の内容は、会社のIR(投資家向け情報)のページや、決算の資料で確認できます。

配当利回りの考え方

株価に対して、1年にどれだけ配当を受け取れるかを表したものを配当利回りといいます。

計算式

配当利回り = 1株あたりの年間配当 ÷ 株価 × 100(%)

株価2,000円
1株あたりの年間配当60円
配当利回り3.0%
100株持っているときの配当(税引き前)6,000円
税金(20.315%)を引いたあと約4,782円

※計算の例です。配当の予想額は会社の業績で変わり、株価が動くと配当利回りも変わります。

権利確定日と権利付最終日

配当や優待を受け取れる株主を決める日を権利確定日といいます。3月末や9月末にしている会社が多くあります。

ただし、株は買った日(約定日)にすぐ株主として記録されるわけではありません。株主として記録されるのは、お金と株をやりとりする受渡日で、いまは約定日から3営業日目(2営業日後)です。

そのため、権利確定日に株主になっているには、権利確定日から2営業日さかのぼった日までに買う必要があります。この日を権利付最終日といいます。

日付の例呼び方意味
3月27日(金)権利付最終日この日の取引終了までに買えば権利がもらえる
3月30日(月)権利落ち日この日に買っても今回の権利はもらえない
3月31日(火)権利確定日この日の株主に権利がある

※2026年3月のカレンダーで、権利確定日を3月31日とした場合の例です。土日・祝日は営業日に数えません。実際の日付は証券会社の「権利確定日カレンダー」などで確認してください。

ポイント

権利付最終日に買って、次の日(権利落ち日)に売っても、権利はもらえます。ただし、権利落ち日には配当の分などを反映して株価が下がりやすく、得になるとは限りません。

配当にかかる税金

上場株式の配当には、受け取るときに税金が差し引かれます(源泉徴収)。

税金税率
所得税・復興特別所得税15.315%
住民税5%
合計20.315%

※出典:国税庁 タックスアンサー No.1330(2026年10月30日確認)。発行済株式の3%以上を持つ大口株主などは別のあつかいです。令和9年(2027年)からは復興特別所得税が1.1%に下がり、防衛特別所得税(所得税額の1%)がかかりますが、合計の税率は変わらないとされています(No.2260)。

申告のしかたは3つから選べる

方法内容向いている人の例
申告不要源泉徴収で終わり。金額にかかわらず確定申告しなくてよい手間をかけたくない人
総合課税ほかの所得と合わせて申告する。配当控除を使える所得が比較的少なく、税率が低い人
申告分離課税ほかの所得と分けて申告する。株の売却損と相殺できる株を売って損が出た人

※出典:国税庁 タックスアンサー No.1330。申告分離課税を選ぶときは、申告する上場株式等の配当の全額について選ぶ必要があります。どれが有利かは所得の状況で変わります。

証券口座の種類と税金の関係は、特定口座と一般口座のちがいで説明しています。

株主優待の税金

株主優待は、配当とはあつかいが別です。優待には配当のような源泉徴収がありません。一般には「雑所得」として説明されることが多いですが、国税庁のタックスアンサーで株主優待のあつかいを直接説明したページは、確認日時点で見つかりませんでした。

会社員などで、給与以外の所得が年20万円以下なら所得税の確定申告がいらない場合があります(副業の税金の基本参照)。金額が大きいときや迷うときは、税務署に確認しましょう。

NISAで配当を受け取るときの注意

NISA口座で買った株の配当は非課税になりますが、そのためには受け取り方を「株式数比例配分方式」(証券会社の口座で受け取る方法)にしておく必要があります。郵便局などで受け取る方法や、銀行口座への振込にしていると、税金が差し引かれます。

配当の受け取り方受け取る場所
株式数比例配分方式株を預けている証券会社の口座
登録配当金受領口座方式登録した1つの銀行口座(すべての銘柄)
個別銘柄指定方式銘柄ごとに指定した銀行口座
配当金領収証方式送られてくる領収証を郵便局などに持っていく

受け取り方は、証券会社の画面や窓口で変更できます。NISAで株を買う前に、設定を確認しておきましょう。

注意
  • 受け取り方の設定は、NISA以外も含めて、持っているすべての株に共通です。
  • 株主優待はNISAの非課税の対象ではありません。

NISAのしくみはNISAのしくみと始め方でまとめています。

配当・優待だけで選ぶときの注意点

  • 配当は減ることがある:業績が悪くなると、配当を減らしたり(減配)、なくしたり(無配)することがあります。
  • 優待は廃止されることがある:優待の内容が変わったり、なくなったりすることがあります。
  • 株価の値下がりの方が大きいこともある:配当や優待をもらっても、株価が大きく下がれば全体では損になります。

1つの会社にかたよらないようにする考え方は、分散投資とドルコスト平均法で説明しています。

よくある質問

権利確定日の当日に買っても配当はもらえますか?
もらえません。受渡日が約定日から3営業日目なので、権利確定日の2営業日前(権利付最終日)までに買う必要があります。
配当金はいつ受け取れますか?
会社によりますが、権利確定日から2〜3か月後に支払われることが多いです。期末の配当は、株主総会のあとに支払われるのが一般的です。
配当利回りが高い株ほどお得ですか?
そうとは限りません。株価が大きく下がったために利回りが高く見えている場合や、一時的な特別配当で高くなっている場合もあります。業績や配当の続き方もあわせて確認しましょう。
単元未満株でも配当はもらえますか?
配当は、持っている株数に応じて受け取れます。株主優待は100株以上を条件にしている会社が多いので、会社の案内で確認しましょう。

まとめ

  • 配当・優待は、権利確定日に株主である人がもらえる
  • 受渡日が約定日から3営業日目なので、権利確定日の2営業日前(権利付最終日)までに買う
  • 配当には原則20.315%の税金。申告不要・総合課税・申告分離課税から選べる
  • NISAの配当を非課税にするには、株式数比例配分方式で受け取る
  • 配当や優待は減ったりなくなったりすることがある

出典・参考にした情報

  • 国税庁 タックスアンサー No.1330 配当金を受け取ったとき(配当所得)
  • 国税庁 タックスアンサー No.2260 所得税の税率
  • 国税庁 タックスアンサー No.1500 雑所得
  • 日本取引所グループ・各証券会社の受渡日の短縮(T+2)の案内
  • 金融庁 NISA特設ウェブサイト
  • いずれも2026年10月30日確認

【ご注意】一般的な説明で、特定の銘柄をすすめるものではなく、個別の税務相談でもありません。株式は元本が保証されず、配当や株主優待は変更・廃止されることがあります。税金のあつかいは法改正などで変わることがあるため、ご自身のケースは証券会社・税務署・税理士に確認してください。